先回、ご紹介したようにDACを一点アース構造にして、かなり音質が向上しました。
実は、この構造はCrownのアンプ、DC300Aの構造にヒントが有りました。
この写真は、DC300Aの底板を外して下面からみたところです。電源トランスを固定している
真鍮の六角柱の間に、一本錫メッキの単線が橋渡しされていますが、この線の真ん中がこの
アンプの基準アースポイントです。
ここには4本アース線がつながっていますが、太めの2本はスピーカー出力のGND端子へ
つながっています。残りの内の1本は、電源のブロックケミコンのGND端子へ。
最後の1本はパネル背面のメイン基板につながっています。つまり、このポイントを基準と
して電源、SP GND、メイン基板のGNDが集められています。
この写真のブルーの半固定抵抗が付いている基板がパネル背面のメイン基板です。
グレーのシールドのGND線が3本まとまって、基準GNDから来た1本のGND線と一緒に
このメイン基板に接続されています。
3本のシールド線のメイン基板に接続されている部分のアップ写真です。
この部分がメイン基板の基準GNDです。小信号系のGNDがここにすべて集めてあります。
オーディオ信号のGND処理は、Digital機器やRadioなどの高周波機器の様な、べたアース
(基板全体にGNDパターンをレイアウトして、回路上のGNDポイントを一番近いGNDポイントに
文字通りべたべたと落としてしまう方法です。)と違い、扱う信号のレベルが違うブロック毎に
GNDを分けて、それぞれを個別に基準の一点にGNDを落とす方法が、音質を良くするノウハウ
だと思います。Crownのアンプが評価高いのはこのような点がしっかり作り込まれているから
ではないでしょうか。
この一点アース方式の効果は、複数の楽器やボーカルが一斉に演奏された際に、それぞれの
音源が混濁せず、綺麗にセパレートされて聞こえてきます。分解能がきわめて良くなります。
DACのGND改善後
以前、聞苦しく感じた曲が全く問題なく、色んな音が綺麗に聞こえてきます。ソロ楽器でも指の
触れる音、アタックの瞬間、エコーの広がり減衰していく様子等、こんな音まで入っていたのか
とびっくりして、色んなCDを聴き直しているところです。
一度、皆さんの使われているAudio機器の内部をのぞいてみると面白いと思います。
そのメーカーの設計者のこだわり方が見えてきます。
安いAudio機器でも、このGND構造を取る事によって相当レベルが上がると思います。
決して高い音質対策部品ばかり使えば良くなるわけではない事が判るでしょう。
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