2012年1月28日土曜日

DAC改造記パートⅢ

DACのI/V変換と差動Bufferに使われているOP AMPをキット標準のOPA2604から、
評判の高い、I/V変換にLME49990、BufferにLT1037CNに換えてみました。
写真1:LME49990とLT1037CNを装着したところです。 

写真2:温度がヤバいLME49990のアップ写真

心配なのは、I/V変換のOPAMP LME49990の温度ですが、測ったところ、かなり
ヤバイ数値が・・・・

写真3:なんとLME49990の表面温度が103.6℃ですぅ~!

IC表面で100℃を超えておますので、中のチップは110℃は超えているのでは無いで
しょうか?何か、放熱する必要がありそうです。
Sngle OPを両面に張り付けているので、裏面のICはもっと熱的に条件が悪いと思われます。
銅板などを使って、なんとか放熱器を付けないとまずそうです。FANも必要かな?

という事で、TWIN FAN冷却仕様にしてみました。まだ、ちゃんと固定できていませんが、
とりあえず、周辺の部品に両面テープで固定してます。Audio用と電源が共通にしかでき
ないので、ちょっと気になりますが、熱でOP AMPが壊れるよりは良いでしょう。電源は
なんとでも、後でできますから・・・
写真4:TWIN FAN

ところで、LME49990とTL1037CNですが、装着後、いきなりOPA2604より良い感じです。
OPA2604でも相当良いと思っていましたが、   何でしょう??この余裕な感じというか
自然な感じは・・・。結構、OPA2604は個性的な音だったんですね。

現在、LME49990とTL1037CNをエージングしています。このまま更によくなることを期待
しています。

2012年1月24日火曜日

DAC改造記パートⅡ

前回、DACの電源周りを改造しましたが、コンデンサーの違いで
大きく音質が左右され、色々試した結果、I/V変換のOP AMPの
デカップにOS-CONのSPシリーズを使ったところ、今までになく
良い結果を得ることが出来ました。
写真1:こんな感じです。

出力BufferのOP AMPには、ニチコンのMUSE KZをとりあえず付けています。
DAC基板の±15V電源パターンを各OP AMP個別になる様カットし、中途半端な
位置にあったC219,C220 0.1μのパスコンは削除してます。
写真2:T字状に電源がつながっていまいましたが。このように3分割しました

その後、各OP毎にリード線を使い個別に配線しています。各デカップコンデンサーは
OP AMP ICの端子に直接半田付けしましたので、デカップコンデンサの付け方と
しては理想に近いと思います。I/V変換のOP AMPは可なり発熱しますので、相当
電源も揺すれられていたと思います。そのため通常のケミコンではなくESRの
低いOS-CONがよいのではと思い使ってみました。当初、Audio用ではない
OS-CONを使ったのですが、中低域は非常に良くなったのですが、高域に
可なり癖が出てしまいました。よくよく調べるとOS-CONのリード線は鉄なん
ですね。そこで海神無線さんでAudio用OS-CON SPシリーズがあることを知り
入手して、使ってみたところ、最初はちょっとあっさりさっぱりしてしまい、まるで普通の
CDがBlu-Spec CDのようにHi-Fiポイが何となくヨソヨソしい音に聞こえましたが、時間が
経つにつれて、ぐんぐん音楽に吸い込まれるような生々しさが出てきて、色々古いCDを
とっかえひっかえ聴き入っているところです。

OS-CONは製造中止になったので、在庫分しか手に入りませんが、皆さん是非
一度お試しください。
わたしのDAC基板の改造個所は、電源周りだけではなく、OP AMP周りの抵抗
交換、セラミックコンもフィルムコンに交換しています。
写真3:PRPのキンピとメタライズドフィルムコン装着の様子

当初、抵抗はKOAのキンピが使われていましたが、写真にあるようにPRPのキンピに
交換しています。キンピもくせもので、KOAよりPRP製の方が自然な音に感じます。

そのほか、改造点は配線のリード線にBELDENの#8503使っている点です。この
線材はSPケーブルの#8470に通じる音質を持っていて、私のお気に入りの線材です。
±15Vの電源ラインとAudio信号ラインに使用しています。
写真4:BELDEN8503による配線の様子
クロ、緑、黄色の電源ラインと青、白、赤の信号線に使用

写真5:DAC全体の様子

以前も御紹介したかもしれませんが、電源は2系統使用しています。L/Rに分けて
使ってはいません。左下2枚のDAC基板の OP AMP用と右下にある2枚の出力Buffer
基板用に分けて使っています。音的にはそのようにした方が結果良かったです。。
でも、その後、上記のようにDACのデカップリングの取り方を変えたので、様子が変って
いるかもしれませんね。
L/R別にしてみることも今後検討しようと思います。実験は簡単でハーネスをつなぎ
かえるだけですが・・・・。

電源についてですが、当方PCM1792AのDAC ICのユニットを使用していますが、
5Vの消費電流が多く、サンプリング周波数が高い音源を再生すると更に消費電流が
多くなります。
私のようにLCD表示を付けている方は、ここでも5Vを消費していて、5v電源回路1つ
では賄いきれなくなります。
幸い、私は電源2台積んでいたので、分けて配線して問題なくなりました。

ここに見える全てのユニットはMi-takeさんから購入した物です。本当に良く出来て
います。いろんなことも試せますし、やり方によっては何十万円もする、メーカー製の
DACより遥かに良い物ができると思います。皆さんもお試しください。

2012年1月15日日曜日

DAC改造記

Mi-takeさんのDACキットは大変良くできているのですが、パターンを
小さな基板に入れるため、多少電源とGNDパターン配線を妥協されて
いると思われます。
パターンを眺めつつ、気になる個所がかなりあったので、DAC ICの
Analog部の電源とI/V変換のOP AMPと差動Buffer OP AMPの電源・
GNDパターンおよびデカップ、パスコンレイアウトを大幅に改造して
みました。
DAC IC PCM1792AのAnalog5V系電源はVcc1、Vcc2R、Vcc2L
の3か所、Digital3.3V系電源は1か所あり、それぞれのGND端子も
その近くに配置されていますが、基板の配線は、ほぼ芋づる式に配線
されています。
例えば、Analog5VのVcc2R端子へ行くラインの途中から、Digital3.3V
電源回路に行っているのでまずは、ここを分離します。Vcc1への配線は
Vcc2Lの電源を経由して、Vcc1に入っていて、Vcc1用のデカップが
有りません。Vcc2Lと共有しているのでしょうか?少し気持ち悪いので、
これも分離してVcc1用のデカップを裏付けして・・・・。
文章で書くのは難しいですね。

やってみた内容を要約すると、各電源回路毎に、それぞれデカップおよび
パスコンを専用化且つ電源端子直近に接続し、配線も芋づる配線はすべて
カットし、個別に配線するようにしました。

結果がこれです。


音質的には、うるささが薄れ、音の密度が濃くなり、可なりS/N感が向上しました。
音が鳴りやんだ後のエコーの広がり等、小さな音が奇麗に聞こえるようになり、また、
音量を上げても、うるさくならず、音圧感が心地よくなりました。

自作キットは何でもアリで改造できるので良いですね。
電解コンデンサーは今回ELNAのシルミックⅡを使いました。結構、癖がなく良い
感じです。
この改造の際、以前交換した東信工業のUTSJをまたニチコンに戻しました。
東進工業もよいのですが、Jazzのシンバルが妙にか細くなり、段々欲求不満になり
ニチコンMUSEのはっきりくっきり系に戻しました。Audioはいろんな所のバランスを
とりながら音決めする必要がありますね。

2012年1月9日月曜日

電解コンデンサーの音質について その2

今回、Crown DC300Aの25μ16vBPのところについて、3種類のコンデンサーを
音質比較してみました。

サービスマニュアルでは25μとなっていますが、現在25μという容量は殆どなく、
一般的な22μのコンデンサーで比較します。
このコンデンサーはバイポーラ指定なので、あまり選択肢が有りませんが、
とりあえず入手しやすいところで選んでみました。

1:ニチコンMUSE ES 22μ25V
(50V耐圧もありますがケースサイズが大きくなるので25Vを使用)
2:FROLYT BP EKSU 22μ50V ドイツ製だそうです。
3:ELNA RDB 22μ50V
を比較しました。

1:ニチコン MUSE ESですが、一見聴きやすい、ワイドレンジな感じですが、
低域はボヨーン ダラーンとだらしなく、今一です。
どうも、私とニチコンとは相性が良くないみたい・・・


2:FROLYT BP EKSUは、非常にタイトな感じ、ニチコンの後に聴いたせいか、
低域はしまっていて、いい感じに聞こえますが、中高域が詰まっているような音で、
躍動感がなく、音像が引っ込んでいるので、音楽を聴いていて楽しくありません。
整いすぎた感じです。音に生っぽさがありません。リードが鉄製なのが影響して
いるかも?


3:ELNA RDBは・・・いいですね!音楽が生き生きいしています。
低域も締まりすぎず、緩すぎず、ちょうどよい感じです。
若干、RFOに見られた中高域のくせに近いものが感じられますが、それよりも
音楽の楽しさを感じ取れて、良い点が勝っているので、これに決定しました。
・・・RDBは写真撮り忘れたので画像ありません・・・

Crown DC300Aはこれらのケミコン以外の入力バイアス回路に10μと100μが
使われていますが、ここには今のところ、DACに使用した際、今一だったELNAの
RFOシリーズを実は使っています。東信のUTSJを使ってみようか迷いましたが、
RFOでもDACの時ほど悪い感じでは無く、かえってUTSJの悪さが出るといや
なので、そのままにしています。


その他、10μ150Vと5μ70Vが使われていますが、これらは耐圧が高くアキシャルタイプ
なので選択肢が殆どなく、SPRAGUEのコンデンサーを選びました。
5μアキシャルタイプという容量も最近見なくなりましたがSPRAGUE 30Dシリーズは今でも
購入できます。
これはSPRAGUE 10μです。

2012年1月6日金曜日

電解コンデンサーの音質について

電解コンデンサー(ケミコン)は曲者です。

D75AにニチコンのKZシリーズを使った際、Hi-Fi感は出たのですが
何か中高域でキツイところがあり、長く聞くと疲れるので、物は試しと
東進工業のUTSJシリーズを使ったところ、きつさは失せて、非常に
見通しがよく聴き疲れしない音色になったので、好印象をもちました。

その後、Mi-TakeさんのDACにもニチコンのケミコンが使われている
ので、もしかして東信のUTSJでもっと良くなるかもと欲をだして、
DAC ICのAnalog系の電源に使ってみたところ、D75Aの時と同じ傾向
で良くなりました。
更に、もっと良くなるかと思い、DACのI/V変換OP AMPのデカップ
と最終段Buffer AMPのデカップも東信UTSJにしてみましたが・・・

やりすぎはいけません。透明感はさらに上がったのですが、音そのもの
が透明でスカスカの痩せた音になり、実体感がなくなってしまいました。

次にUTSJに代わってエルナーのRFOシリーズに順次入れ替えてみた
ところ・・・。
これはいけません。シンバルが粉っぽくシャンシャンとうるさくなって、
とても聴き疲れする音になってしまいました。

私が感じたところをまとめてみますと
・ニチコンKZシリーズは、音もしっかりしていて、透明感もあり、良いの
ですが、中高域に若干くせがある感じです。
・東信UTSJシリーズは、聴き疲れしない空間の広がりを感じさせる
透明感のある音質ですが、やりすぎると音まで透けてしまう感じです。
・エルナーRFOはとても個性的で中低域に厚みがあり、量感は出るの
ですが、中高域はざらついてうるさい感じです。

今後の検討課題として、ニチコンと東進工業の組み合わせを工夫
すれば、かなり良いポイントがありそうな気がします。
エルナーは自分の好みから相当外れているので、もう使うことはない
でしょう。

それにしても、ケミコンはどれも個性的で絶対的に良いといえるものは
無いですね。ただ、傾向を掴んでおいて組み合わせを楽しむ手は有りそう
です。

2012年1月3日火曜日

新年明けましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。

2011年は東日本大震災、タイの洪水、異常な円高、民主党政権の迷走など、
日本国民と日本産業界に大変厳しい年でしたね。

いまだ、震災からの完全復興には、原子力発電所の影響も含め先が
見えにくい状況ですが、2012年は少しでも、幸多き年で有りますよう、
心からお祈りいたします。

日本のAudio業界も中々低迷を抜け切れず、厳しい状況ですが
PC AudioやNet Audioをきっかけに、少しでもAudioに興味を
持って頂ける方が増えて、Audio業界に活気が戻ってくる事を願っています。

今年も、皆さんとAudioの楽しみ方を共有し、良い音楽を良い音で楽しみ
癒される世界を微力ながら広げていければと思います。

今年もよろしくお願いいたします。